原水禁世界大会@長崎(8/7~9)に参加しました

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公開日 2019年08月23日

更新日 2019年08月23日

 

8月7日から9日にかけて、長崎市内で原水爆禁止2019年世界大会・長崎が開催されました。東京反核医師の会は、矢野正明代表世話人と、事務局2人の3人が参加、分科会「映像のひろば」の企画・運営を担当しました。

 

開会総会「核をなくす最大の力は市民社会の中に」(8/7)

 7日の開会総会には約4000人が参加。開会にあたって、前日の6日に南米のボリビアが核兵器禁止条約を批准し、これにより条約発効に必要な50カ国の半数に達したことが報告されました。
 主催者代表挨拶に立った安斎育郎氏は「NPT再検討会議の行われる2020年を核のない世界への転換点にすべきだ。そのために核兵器使用の破滅的結果を周知していかなければならない」と述べ、また田上富久長崎市長は「米露の動きなど、厳しい情勢もある中で、市民社会の重要性を見つめなおすことが大切。核をなくすための最大の力は市民社会の中にある。そのひとつがヒバクシャ国際署名。皆さんと取り組んでいきたい」とし、市民と協力していく姿勢を改めて打ち出しました。その他、各国の政府代表としてオーストリア、メキシコ、ベネズエラの公使や駐日大使らが発言しました。

 

分科会「映像のひろば」経験を伝えていくために(8/8)

 8日に開催された分科会「映像のひろば」は、原爆や平和をテーマにした映画を数多く手掛けているアニメーター/映画監督の有原誠治氏が中心となって、原爆や反核運動に関する映像を上映し、感想や意見を交換しながら認識を深めていく企画です。
 会場のチトセピアホールには、様々な地域や年代から、270人が集まりました。今回上映されたのは、以下の作品です。

1)「永遠なる平和を~原水爆の惨禍」
2)「NAGASAKI1945アンゼラスの鐘」
3)「声が世界を動かした~ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産継承センター設立に向けて~」
4)「山口逸郎さんの平和行進2019 東京と三重を歩く」
5)「ヒバクシャ国際署名を世界にひろげよう!」

 自身も被爆しながら被爆者達の治療に尽力した秋月辰一郎医師を主人公にした長編アニメ作品「アンゼラスの鐘」については、上映後の交流でも「アニメ作品はマイルドな表現になっていても原爆被害の悲惨さを的確に表現していると思った。特に放射線障害で徐々に人が亡くなっていくのがとても恐ろしかった」といった感想や、武蔵大学の学生たちが取材・作成を行い、被団協の歴史を中心に反核運動の展開を追った「声が世界を動かした」では、「原水禁世界大会に参加しても、その時だけの経験になりがちだが、映像なら体験を共有しやすい。地域に帰って上映会をやりたい」など、経験を身近な人や次世代に共有していくための方法について、活発な意見交流が行われました(写真)

 

ナガサキデー集会「私たちには声と言う武器がある」(8/9)

 9日のナガサキデー集会では、開会式を超える5000人が来場しました。会場では、若い世代から多くの発言がありました。署名に取り組んでいる北海道の伊達高校の生徒らが登壇し、「核兵器を廃絶させることは固く閉ざされた扉の前にいるようだ。それでも、私とみなさんには声という武器がある」と述べた。また、長崎市の純心女子高校の生徒たちも「高校生1万人署名」で集めた署名20万筆を高校生国際平和大使が国連へ届けることを報告し、会場は大きな拍手に包まれました。最後に、署名アクションとして署名の目標値を書き込める「核兵器をなくそう」と書かれたブルーのカードを掲げて一斉にアピールが行われ、閉会しました。