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公開日 2022年03月03日
更新日 2022年03月03日
ロシアは2月24日、ウクライナ東部地域に軍隊を侵入させ、空港や軍事施設、都市部への攻撃を開始した。
プーチン大統領は24日の緊急演説で、攻撃はウクライナで威圧され民族虐殺に遭っている人たちを保護し、「ウクライナの非軍事化と非ナチス化」を実現するためのものだと述べた。しかし、この主張はウクライナの現状と乖離している上に、攻撃は住宅や病院等の施設をも標的にしており、多数の民間人の死傷者を出している。
これは明らかな侵略であり、21世紀の国際社会において決して容認できないものだ。
プーチン大統領は27日、北大西洋条約機構(NATO)首脳らによる声明と西側諸国の対露経済制裁を受けて、核戦力を含む核抑止部隊を高度の警戒態勢に置くよう軍司令部に指示している。これは、2021年1月に発効した核兵器禁止条約が禁じている「核兵器による威嚇」そのものである。
2022年1月3日に核保有五カ国で発出した「核戦争に勝者はなく、決してその戦いはしてはならない」「相互の理解と信頼を増大させ、誰の利益にもならず、誰をも危険にさらす軍拡競争を防ぐため、二国間、多国間の外交的アプローチを引き続き模索する」とする共同声明にも真っ向から反している。
また、24日にロシア軍はチェルノブイリ原発を占拠しており、新たな核被害の危険性が高まっている。
私たちはいのちと健康を守る医療者として、この度のロシアによる侵略行為に強く抗議すると共に、ロシア政府に対し、(1)ただちにウクライナ領から軍を撤退させること、(2)核保有五カ国の共同声明の趣旨に従い、核軍縮に誠実に取り組むことを求める。
2022年3月3日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
(東京反核医師の会)
代表委員 向山 新、 矢野 正明、 片倉 和彦
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