【映画】「生きて、生きて、生きろ」のご紹介

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公開日 2024年06月17日

更新日 2024年06月17日

震災と原発事故から13年後の福島でPTSDなどこころの病に苦しむ被災者と、被災者を支える医療従事者たちを追ったドキュメンタリー映画「生きて、生きて、生きろ」についてご紹介します。

5月25日からポレポレ東中野をはじめ、全国の映画館で上映されます。ぜひご覧ください。

 

 

 

「生きて、生きて、生きろ」
監督:島田陽磨 出演:蟻塚亮二 米倉一磨
配給:日本電波ニュース社
2024年5月25日公開/113分

映画公式サイトはこちら

【あらすじ】

震災と原発事故から13年。福島では、時間を経てから発症する遅発性PTSDなど、こころの病が多発していた。若者の自殺率や児童虐待も増加。メンタルクリニックの院長、蟻塚亮二医師は連日多くの患者たちと向き合い、その声に耳を傾ける。連携するNPOこころのケアセンターの米倉一磨さんも、こころの不調を訴える利用者たちの自宅訪問を重ねるなど日々、奔走していた。
津波で夫が行方不明のままの女性、原発事故による避難生活中に息子を自死で失い自殺未遂を繰り返す男性、避難生活が長引く中、妻が認知症になった夫婦など、患者や利用者たちのおかれた状況には震災と原発事故の影響が色濃くにじむ。蟻塚医師は、かつて沖縄で、沖縄戦の遅発性PTSDを診ていた経験から、福島でも今後、長期にわたり、PTSDが発症すると考えていた。

ある日、枕元に行方不明の夫が現れたと話す女性。
「生きていていいんだ、という希望を持った時に人は泣ける」と話す蟻塚さん。
米倉さんは、息子を失った男性にあることを提案。やがてそれぞれの人々に小さな変化が訪れていく。
喪失感や絶望に打ちのめされながらも日々を生きようとする人々と、
それを支える医療従事者たちのドキュメンタリー。

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「美談の記録ではない」

竹内 真弓 (東京反核医師の会 世話人)

この作品は、福島県相馬市にあるメンタルクリニックなごみの診療風景と、復興庁の補助金で運営されている相馬広域こころのケアセンターなごみの訪問看護の活動を追ったドキュメンタリー映画である。
「ここは日本で一番PTSDが多い診療所」という蟻塚医師は、沖縄で診療しているときに「奇妙な不眠」に気づく。それは沖縄戦の体験者に生じるPTSDの症状の一つであった。
日本にデータはない。蟻塚医師はベトナム戦争時の論文を読んで福島の避難者たちの臨床症状にたどり着く。
この映画は美談の記録ではない。日本が、福島が、沖縄が、そして我々の今につながる国の政策について実証をあげて描いている。いや、私たちは実は知っていた。ジャニーズ事件のように。「しかたなかった」の構造がどんどん浮き上がってきている。
自主上映の相談も受けていると島田監督の談である。ぜひ一人でも多くの人に観ていただきたい。