【声明】日本被団協のノーベル平和賞受賞を祝福する

 2-151

公開日 2024年11月01日

更新日 2025年01月16日

 当会は11月1日、以下の声明を日本被団協及び内閣総理大臣宛てに送付に送付しました。

 

声明  日本被団協のノーベル平和賞受賞を祝福する

 

2024年11月1日

核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会

(東京反核医師の会)

代表委員 向山 新、 矢野 正明、 片倉 和彦

 

ノルウェーのノーベル委員会が2024年10月11日、ノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(以下、日本被団協)に授与することを発表した。受賞の理由として、「日本被団協の活動は記憶を残すという強い文化と継続的な取り組みで、日本の新しい世代が被爆者の経験とメッセージを継承しており、彼らは世界中の人々を刺激・教育」していることが挙げられた。心からの敬意を表するとともに、受賞を祝福する。

 現代の社会情勢では、ロシアのウクライナ侵攻にて核兵器が使用されるリスクが高まっており、また核保有国のイスラエルがパレスチナ自治区ガザで戦闘を続けており、戦争で核兵器が使用される瀬戸際である。そのような状況の中で日本被団協がノーベル平和賞を受賞した意義は大きい。

核兵器は日本で使われたのを最後に80年間戦争で使用されていない。これは世界中の平和と非核を求める市民たちの不断の努力のたまものであり、とりわけ日本被団協をはじめとする被爆者の活動が核のタブーの確立と維持に貢献し、世界に影響を与えている。

しかし日本では、核保有国であるアメリカと核抑止を含む拡大抑止を明文化するなど、核廃絶に逆行した動きを見せている。我々は日本政府に対し、今回、日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことを真摯に受け止め、唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准、解決など、核廃絶に向けて積極的な役割を果たすことを求める。また、長崎の被爆体験者問題を解決し、すべての被爆体験者を被爆者として認定し、救済することを求める。

 原爆が戦争で使用されてから80年が経とうとしている。被爆者の年齢も平均で85歳となり、被爆者のいない時代が近づいている。核兵器の非人道性とともに差別や偏見、後遺症に苦しんだ被爆者の声を早急に次世代に継承する必要性がある。東京反核医師の会は、被爆者の運動を受け継ぎ、次世代につなげる努力を強めていく。

以上

声明「日本被団協のノーベル平和賞受賞を祝福する」[PDF:85.1KB] 

 

PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Acrobat Readerダウンロード