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公開日 2025年07月03日
更新日 2025年07月03日
当会は6月25日、以下の声明を内閣総理大臣および在日米国大使、駐日イスラエル大使宛に送付しました。
アメリカのイラン核施設への攻撃に抗議する
米国のトランプ大統領は6月21日、イランの核施設3カ所に空爆を行った。イランと米国との核協議の直前、13日にイスラエルはイランの核施設等を攻撃しており、米軍による核施設攻撃はイスラエルの要請に基づいている。トランプ大統領は2週間の期限を設けて交渉の余地を残していたにもかかわらず、突然の武力行使に踏み切った。
これは、国連憲章と国際法に違反した攻撃であり、中東地域のみならず世界の平和と安定に大きな打撃を与えるものである。東京反核医師の会は、この蛮行に対して強い憤りを持って糾弾する。
たとえイランの核開発が疑われたとしても、米国の攻撃は正当化されない。国際法上、他国への武力行使が認められるのは、自衛権の行使か国連安全保障理事会の決議がある場合に限られている。自衛権の行使は攻撃に対する反撃の場合や、差し迫った脅威があることが前提となるが、米国の攻撃はいずれにも当てはまらない。
核施設への攻撃は、核兵器の使用と同じく周囲の放射能汚染をもたらす、核戦争の引き金ともなりうる危険な行為である。「危険な力を内蔵する工作物等に対する攻撃」を重大な違反行為に挙げたジュネーブ条約をはじめとする国際条約に違反している。国際的なルールを無視して、好き勝手に振る舞うトランプ大統領のやり方は、許されるものではない。
国連のグテーレス事務総長は「軍事的な解決策はなく、唯一の道は外交だ」と強調している。我々は、イスラエル・米国両国に直ちに攻撃を中止し、外交の場での交渉を行うことを強く求める。
また、石破首相は米国の攻撃に対して「早期の沈静化が何よりも重要だ」と述べるにとどまっている。我々は日本政府に対し、唯一の戦争被爆国として、イスラエルと米国に核施設攻撃の中止および米国とイランの核合意交渉再開を要請することを併せて求める。
2025年6月25日
核兵器廃絶・核戦争阻止 東京医師・歯科医師・医学者の会
(東京反核医師の会)
代表委員 向山 新、 矢野 正明、 片倉 和彦
【声明】アメリカのイラン核施設への攻撃に抗議する[PDF:76.7KB]

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